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【実録・HRケーススタディ】700名の経営幹部候補をどう選ぶか? 2万人規模企業のサクセッション設計を支えた「評価基準」のつくり方(2026年3月)

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約2万人規模の企業で、経営幹部候補約700名の評価基準をどう設計するか——最高執行責任者やCFOなど10程度のCxOポジションに対し、スキル・コンピテンシー・気質をどう定義し、比重づけるかが最初の壁でした。
世界標準のジョブディスクリプション(ESCO・O*NET)を学習したAIエージェントと人の判断を組み合わせ、評価基準を一気通貫で設計したサクセッションプロジェクトの記録です。

本シリーズ「実録・HRケーススタディ」では、IGSの営業担当が日々向き合っている実際の企業相談をもとに、人事と経営のあいだで何が起きているのか、どこで判断や施策が止まりやすいのか、それをどう整理し、前に進めているのかを、できるだけ具体的にお伝えしています。

「経営幹部候補を選びたいが、何を基準に見ればいいのか分からない」

ご相談いただいたのは、約2万人規模の日本の大手企業でした。

サクセッションプランを本格的に進めるにあたり、経営幹部候補者の評価基準を設計し、その基準に沿って評価運用まで行いたい、というご依頼です。

この企業では、経営幹部ポジションが一つではありません。
最高執行責任者、最高財務責任者、最高戦略責任者など、CxOクラスのポジションが10程度存在し、候補者も約700名にのぼっていました。

人数だけを見ても大きなプロジェクトですが、実際に難しいのは人数の多さそのものではありません。

より本質的だったのは、「それぞれのポジションにとって、何をもって適任とするのか」が十分に整理されていなかったことです。

上位管理職になるほど、「何を見るか」が難しくなる

一般的に、役職が上がるほど、評価の対象は業務スキルだけではなくなっていきます。

上位管理職には、リーダーシップ、意思決定力、周囲を巻き込む力、変革を前に進める力など、人や組織に働きかける能力が強く求められるようになります。

ただ、話はそれほど単純でもありません。
特定の技術や専門領域を基盤にしているポジションでは、上位クラスに上がっても、なお高い専門スキルが求められることがあります。

つまり、サクセッション設計では、「上に行くほどスキルは見なくてよい」「人間関係能力だけ見ればよい」という整理では足りません。

スキル、コンピテンシー、気質(生まれ持った特性)。

この3つを、各CxOポジションごとにどう定義し、どう比重づけするのか。そこが最初の大きな論点になります。

サクセッション設計で、実は多くの企業が悩むこと

こうしたテーマでは、企業が似たような壁にぶつかることが少なくありません。

一つ目は、スキル・コンピテンシー・気質という複数の観点を、各CxOごとにどう定義すればよいのかが分からないことです。それぞれをどれくらいの比重で見るべきかも、曖昧になりやすいところです。

二つ目は、ポジションごとに判断軸を細かくつくりすぎると、評価の運用が重たくなってしまうことです。設計として正しくても、現場で回らなければ意味がありません。

三つ目は、社内に別目的で設計された評価項目がすでにある場合、それらとの重複を整理しなければならないことです。ここが曖昧なままだと、制度全体が複雑になり、関係者の負担も増えていきます。

IGSでは、「スキル・コンピテンシー・気質」を一体で扱う

こうした課題に対してIGSでは、スキル・コンピテンシー・気質をまとめて扱える「GROW360+」を用いながら、要件定義から測定、結果分析までを一気通貫で支援しています。

「GROW360+」の特徴の一つは、すでに構築されている測定項目と、お客様の文脈に応じて追加・調整する項目を掛け合わせながら設計できることです。

特にスキルの整理については、ヨーロッパのESCOやアメリカのO*NETといったジョブディスクリプションを学習したAIエージェントを活用し、グローバル基準も参照しながら各CxOに求められる能力を整理することができます。

感覚的に「こういう人が良さそう」と置くのではなく、

・どのようなタスクがあり
・その遂行にどのようなスキルが必要で
・さらにそのスキル発揮を支えるコンピテンシーは何か

という形で、構造的に整理していくイメージです。

評価基準は、AIの力を借りながら、最後は人が整える

実際の進め方としては、まずお客様の中期経営計画や事業戦略、各ポジションの期待役割など、個社文脈に関する情報を収集します。

その上で、それらの情報と各CxOポジションの定義をAIエージェントに取り込みます。

すると、各ポジションごとに、必要なタスク、それを遂行するために必要なスキル、そのスキルを発揮するために必要なコンピテンシーまでを整理した、たたき台が出てきます。

ただし、ここで大事なのは、AIのアウトプットをそのまま使うことではありません。
出てきた内容をお客様とコンサルタントが一緒に見ながら、追加・削除・内容変更のすり合わせを行っていきます。

AIで整理できる部分はたしかにあります。

一方で、その会社にとって本当に重要なことは、事業戦略や組織文化、経営課題の文脈を踏まえて人が判断しなければいけません。

だからこそ、AIだけでも、人だけでもなく、その両方を使いながら評価基準を整えていくことが現実的だと考えています。

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「何を求めるか」が決まったら、次は「どう測るか」へ

ここまでが、サクセッション対象者に求められる能力の定義です。次に入るのが、「どう測るか」を決めるフェーズです。

測定では、まず尺度設計が必要になります。
IGSでは8段階尺度を基本形としつつ、顧客要望に応じて調整することもあります。

さらに、各評価項目に対応する質問文を設計し、定義・質問・尺度が揃った段階で「GROW360+」にインポートします。

その後、被評価者と評価者に受検を案内し、実際の評価運用へと進みます。
評価期間は2週間程度となることが多くあります。

サクセッションで本当に重要なのは、「測ったあと」をどう見るか

評価が終わった後は、「適合度評価」のフェーズに入ります。

ここでは、単純に総合点の高い順に候補者を並べるだけではありません。

特定のスキルをより重く見る企業もあれば、意思決定力や変革推進力により大きな重みを置く企業もあります。

そのため、特定のスキルやコンピテンシーに加重を置いて総合評価に反映させるなど、各企業ごとの計算方程式を設計することも少なくありません。

つまり、サクセッションの評価とは、単なる点数づけではなく、「この会社において、このポジションにより適合する人材を、どのロジックで見極めるか」を明らかにしていく作業でもあります。

「同じ基準で見る」ことが、公平性と納得感につながる

この一連のステップを経る大きな意義は、説明可能な理由をもって、公平性高く人を選抜できることにあります。

経営幹部候補者は、各現場で、それぞれ異なる価値観を持つ関係者から評価されます。
評価者が違えば、「優秀な人材」の見え方も変わります。
ある人は実行力を高く評価し、別の人は構想力や調整力を重視するかもしれません。

基準が揃っていないと、同じ候補者を同じ物差しで比較することができません。

そうなると、意思決定が遅くなったり、選抜に対する納得感が得られなかったりします。将来の経営を担う人材を選ぶという意味では、それ自体が大きな経営リスクになり得ます。

だからこそ、全候補者を同じ基準で見られる状態をつくることが重要です。


サクセッションに向けて、評価要件定義・測定・結果分析までを一気通貫で整えたいとお考えであれば、ぜひ「GROW360+」にご相談ください。

構想段階の整理から、実際に運用できる評価の仕組みづくりまで、実務で使える形でご支援します。

👉「GROW360+」の詳細はこちらからご覧いただけます。
👉お問い合わせはこちらからどうぞ。

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