「360度評価・人事評価の結果を、育成・配置・登用の意思決定に使えているか」――
29社・7,418名の実測データが、人的資本経営における人材戦略の論点に実証的に答える。
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知見1|管理職と一般社員で最も差がつく力は「影響力の行使」(+17.3pt)
役職が上がるほど能力は全般に高まるが、差がつく力は特定領域に明確に偏る。「論理的思考」「課題設定」「誠実さ」が続く。
- 管理職候補の選定基準を見直す手がかりに
- 自社の登用判断に、この視点は組み込まれているか
知見2|自己評価と他者評価のズレは、ほとんどの人に見られる
「過大評価型」「過小評価型」「適正認知型」の3類型に分かれる。「情熱・牽引力」は多くが実態より-9.9pt過小評価する傾向。
- タイプにより効果的なフィードバックは異なり、一律研修は成果が出にくい
- 自社の育成施策は、自己認知タイプの違いを前提にできているか
知見3|補正なしでは「誰が評価したか」がスコアに混入する
評価者12,346名の分析で、約44%に採点の偏り(甘辛)。IGSは特許取得の独自アルゴリズム(登録番号:6589257)で統計的に補正。
- 個人単位では約7人に1人が10pt以上、順位が変動
- 自社の360度評価スコアは、評価者バイアス補正済みか
知見4|人材の成長は4パターン。タイプは変化し得る
「成長型」18%/「やや成長型」39%/「安定型」34%/「伸び悩み型」9%。タイプは固定ではなく、適切な介入で変化する。
- 「伸び悩み型」を事前把握し、介入設計できる可能性
- 伸び悩みの兆候を早期に捉えられているか
知見5|管理職候補リストは「現管理職に似た人」に偏りやすい
非管理職の管理職候補リスト上位10%層は、現管理職と近い能力構造を持つ傾向。これは「現状維持型リーダー候補」のリストである可能性がある。
- 未来の組織に必要なリーダー像と一致するとは限らない
- 自社の候補者リストは、未来のリーダー像と整合しているか
監修者
小野 浩(おの・ひろし)
一橋ビジネススクール 教授
シカゴ大学大学院にてPh.D.取得。専門は労働経済学、人的資本理論。ストックホルム商科大学、テキサスA&M大学を経て2014年より現職。「人的資本理論の実証化研究会」共同座長。主著『人的資本の論理』(日本経済新聞出版、ダイヤモンド社2024年ベスト経済書2位)ほか、論文掲載多数。
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