BIG5
BIG5の概要

GROW360でも、気質の診断をBIG5を用いて行います。
BIG5では、Neuroticism(繊細性)、Extraversion(外向性)、Openness(開放性)、Agreeableness(協調性)、Conscientiousness (自律性)の 5 つの要素の程度の組み合わせで各個人の性格をあらわします。各特性値は高いほどいいということではなく、各特性値の程度により得意 、不得意とする状況が異なるということです。
各要素の概要

好奇心旺盛で、知識や経験を積極的に広げる傾向
物事に対して積極的で、非常に活動的な傾向
危機に対して敏感で、慎重に行動する傾向
周囲に共感し、積極的に協力関係を築く傾向
強い意志をもち、目標に向けて着実に努力する傾向
各パーソナリティの対立軸
内向性控えめ、大きな変化のない環境を望む
独立性個性が強く、独自性を前面に出す
自由性あるがままで、こだわりが少ない
平穏性危機があっても動じず、情動安定
保守性堅実で、地に足の着いた行動をする
パーソナリティの対立軸に優劣はありませんが、傾向が強く出過ぎた時のリスクや、自身の気質から生じやすい行動特性を理解することが大切とされます。
どちらかに偏ることが良いわけではなく、自分の中でバランスを保てるかどうかがポイントです。
活用の事例
燃え尽き症候群:仕事などに没頭してきた人が、期待した成果を得られず意欲を失ってしまう現象。
学術調査の結果としてBIG5とバーンアウトには一定の関係性があることが分かっています。
潜在的な気質として、「勤勉性が低い」「神経症傾向が高い」「開放性が低い」人が30歳代にバーンアウトしやすいとの仮説が立てられます。

職務要件(マネジメント職、起業家、研究職など)が求めるものと、特定の性格特性が関連するという研究結果が明らかにされています。
<例>
・外向性 マネジメント、エグゼクティブ職に適性
・内向性 研究職、エンジニアリング職に適性
・繊細性 (平均的数値であれば)非営利、公職、専門職に適性
・平穏性 非営利団体、公共団体での仕事に適性 等
人の行動特性とパーソナリティの間に関連があることも研究により示されています。この結果から読み解けることとして、組織での成功につながる行動特性であるコンピテンシーを高めるために、自分が持つ気質をヒントにできるということです。
<例>
・外向性は新たな刺激や報酬体験を追求しようとする傾向や社会的な関係を維持しようとする傾向との相関
・内向性は脅威刺激が呈示された時に行動を抑制する傾向との相関
・自律性は遂行中の行動を継続し完遂しようとする傾向との相関 等
参考:[出典]
慶應義塾大学 商学部 山本勲教授(2015)「実証分析のための計量経済学」中央経済社、58ページ
F. De Fruyta, L. Van De Wieleb, & C. Van Heeringenb. (2000). Cloninger's Psychobiological Model of Temperament and Character and the Five-Factor Model of Personality. Personality and Individual Differences 29, 441-452