

Institution for a Global Society(IGS)
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#GROW360+
本シリーズ「実録・HRケーススタディ」では、IGSの営業担当が日々向き合っている実際の企業相談をもとに、
・人事と経営のあいだで何が起きているのか
・どこで判断や施策が止まりやすいのか
・それをどう整理し、前に進めているのか
を、できるだけ具体的にお伝えしています。
最近、ある建設業界の企業から、こんなご相談をいただきました。
「人の性格から、事故を起こす可能性を予測することはできますか?」
この問いは、非常に本質的です。
なぜなら、現場で起きる重大事故は、突然ゼロから発生するわけではないからです。
労働安全の領域では、よくハインリッヒの法則が参照されます。
いわゆる「1:29:300の法則」で、1件の重大事故の背後には29件の軽傷事故があり、さらにその下に300件のヒヤリハットが存在するという経験則です。
つまり、重大事故を防ぐためには、事故そのものだけではなく、その前段階にあるヒヤリハットをどう減らすかが重要になります。
もちろん、事故の発生要因は一つではありません。
工事現場の安全は、作業環境、設備、熟練度、疲労、天候、工程の逼迫、チームの関係性、指揮命令系統など、複数の要素が重なって成り立っています。
したがって、個人の特性だけで安全を語ることはできません。
一方で、同じような環境でも、負荷のかかる場面で判断がぶれやすい人もいれば、独自判断に寄りやすい人もいます。
だからこそ、個人の特性を「評価」や「選別」のためではなく、支援の設計に活かす視点が重要になります。
IGSが提供する360度評価ツール「GROW360+」では、人の生まれ持った傾向としての気質データを把握できます。
このデータは、誰かを一律に危険とみなすためのものではありません。
見るべきなのは、「どのような場面で負荷がかかりやすいか」「どのようなマネジメントやフォローが有効か」という支援の手がかりです。
特に安全管理の文脈では、自由性・繊細性・自律性・平穏性といった特性の出方を丁寧に見ていくことで、現場で起こりやすい判断の偏りや、必要なサポートの方向性を整理しやすくなります。
重要なのは、どの特性もそれ自体が良い・悪いではないということです。
ある特性が一般水準より大きく突出している場合には、強みが発揮されやすい反面、場面によっては注意が必要になることがあります。
「GROW360+」における「自由性」とは、状況に応じて柔軟に動き方を変えやすい傾向を指します。変化対応や現場適応が求められる仕事では、大きな強みになりえます。
一方で、安全管理の文脈では、柔軟さが強く出ることで、標準手順からのアレンジやその場判断が増えやすい場面もあります。
たとえば、急ぎの工程や慣れた作業のなかで、「今回はこの確認を省いても進められる」「この程度なら自分の判断で変えても問題ない」と考えやすくなることがあります。
このとき重要なのは、自由性の高さを問題視することではありません。
むしろ、自由性が高い人ほど、例外判断が入りやすい工程や自己流になりやすい作業を明確にし、判断を一人に閉じさせない仕組みを用意することが有効です。
・手順逸脱が起きやすい工程を事前に洗い出す
・例外判断が必要な場面では、必ず確認相手を設定する
・慣れた作業ほどチェックポイントを形式知化する
なお、自由性の反対側にある自律性も、「高いほど望ましい」とは限りません。
自律性が高い人は規律や基準を守ろうとする傾向が強みとして働きやすい一方で、状況変化への対応が硬直化したり、自分や他者に過度な厳しさが出たりする可能性もあります。
もう一つ、安全管理の文脈で見ておきたいのが「繊細性」です。
GROW360+における繊細性は、外部刺激やプレッシャーの影響を受けやすい傾向を指します。
この特性は、周囲の変化に気づきやすい、違和感を察知しやすいという強みにもつながります。安全面でも、異変の早期察知に役立つ可能性があります。
一方で、想定外の出来事や時間的プレッシャーが重なった場面では、焦りや動揺が判断や手順遵守に影響することがあります。
この場合も、繊細性の高さをネガティブに扱うのではなく、負荷が高い場面で安定して行動しやすい環境をどう整えるかが論点になります。
・プレッシャーが高まる場面での確認フローを簡略化せず明確にする
・想定外対応時の相談先やエスカレーションルートを明示する
・緊張しやすい工程では、事前確認や声かけを厚くする
なお、繊細性の反対側にある平穏性も「高いほど良い」とは限りません。
平穏性が高い人は落ち着いた対応がしやすい一方で、緊張感が必要な場面でも危機感が立ち上がりにくい可能性があります。
安全管理で特性データを扱うとき、ありがちな誤解は「どの特性が安全で、どの特性が危ないか」という見方をしてしまうことです。
しかし実際には、そう単純には整理できません。
自由性が高ければ、自己判断が入りやすい場面への備えが必要になる。
繊細性が高ければ、負荷が高い場面での支援設計が重要になる。
自律性や平穏性が高い場合も、それぞれ別のかたちで偏りが生じる可能性がある。
つまり論点は、「どの特性を避けるか」ではなく、「その人の特性が強く出る場面で、事故につながらない体制をどうつくるか」です。
個人の特性を矯正の対象として見るのではなく、配属、役割分担、確認フロー、声かけ、教育内容といった運用設計に落とし込むことが重要です。
気質は、コンピテンシーのように後天的に伸ばしやすい行動特性(不安全行動(安全基準から外れた行動)を含む)とは異なり、比較的安定した傾向です。
そのため、教育によって特性そのものを変えることを目的にするよりも、その特性がある中で安全に働ける状態をどうつくるかを考える方が実務的です。
たとえば、自由性が高い人には「アレンジしないこと」だけを求めるのではなく、どの場面では必ず基準に立ち返るべきかを具体化する。
繊細性が高い人には「気にしすぎないように」と伝えるのではなく、負荷が高まったときに判断を安定させるための行動ルールを設ける。
そのためには、一律の安全教育だけでは不十分です。
「この会社の、この職種の、この現場で、どの場面に負荷がかかりやすいのか」まで具体化し、そのうえで個人特性に応じた支援を組み合わせることが重要です。
建設現場の安全管理は、これまでも多くの経験知によって支えられてきました。
その蓄積は非常に重要です。
一方で、ヒヤリハットを未然に防ぐためには、現場の勘や管理者の経験に加えて、個人の特性をデータとして捉える視点を持つことで、支援設計の精度をさらに高めることができます。
特性データは、誰かを危険と決めつけるためのものではありません。
従業員一人ひとりが安心して安全に働けるよう、どのような体制・声かけ・教育・配置が必要かを考えるための材料です。
「ヒヤリハットを減らすために、特性に応じた支援を設計したい」
「気質データを安全教育や現場マネジメントの改善に活かしたい」
「配属や業務設計も含めて、事故を未然に防ぐ体制を見直したい」
といった課題感があれば、まずはIGSにご相談ください。
気質データの解釈にとどまらず、体制づくりやマネジメント改善につなげるところまで、実務で使える形に整理します。
気質データを活用した安全教育・配置設計にご関心をお持ちの方は、ぜひ「GROW360+」にご相談ください。
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