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【実録・HRケーススタディ】なぜうちの会社は「市場における能力値の立ち位置」がわかりづらいのか ー市場比較の重要性と、能力定義という見落とされがちな論点ー(2026年1月)

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「実録・HRケーススタディ」について

本シリーズ「実録・HRケーススタディ」では、
IGSの営業担当が日々向き合っている実際の企業相談をもとに、

・人事と経営・現場のあいだで、どんな違和感が生まれているのか
・なぜ施策を打っても、手応えが出ないのか
・その状況を、どんな整理の仕方で前に進めているのか

を、できるだけ具体的にお伝えしています。

今回ご紹介するのは、「評価制度は整えたはずなのに、自社の競争力が見えてこない」という悩みから始まったケースです。

市場と切り離された人事評価は、機能しなくなりつつある

日本企業を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しています。
テクノロジーの進化、事業ライフサイクルの短期化、人材の流動化。

こうした変化の中で、企業はこれまで以上に「市場の中でどう戦うか」を意識せざるを得なくなっています。

その流れを受けて近年増えているのが、市場を意識した人事評価制度の見直しです。

人事部門と経営部門が議論を重ね、

・これからの時代に必要な人材像は何か
・どの能力を伸ばすべきか

を定義し直す。

その結果として、たとえば「やはり自走力がもっとも重要だ」という結論に至るケースも少なくありません。

そして、その自走力を測るための評価ツールを導入し、全従業員の測定結果が揃う。

――ここまで来ると、一見すると人事施策としては大きく前進したように見えます。

しかし実際には、この状態で思ったように成果につながらない企業が非常に多いというのが、私たちが現場で見ている実情です。

それはなぜなのでしょうか。

うまくいかない理由①

「自社基準の達成度合い」しか見えていない

一つ目の理由は、評価が自社基準の達成度合いに閉じてしまっている点です。

たとえば、自社で定義した「自走力」において100点を取った人がいたとします。

社内では「非常に優秀」「理想的な人材」と評価されるかもしれません。

しかし、その100点は、市場全体から見たときにも100点なのでしょうか。

実は、市場の同等ポジション・同等役割の人材と比較すると、

・60点相当
・あるいは平均水準にとどまっている

というケースも、決して珍しくありません。

自社の中では高評価。しかし市場では平均的。

このギャップに気づけないままでは、

・なぜ競争力が伸びないのか
・なぜ成長が頭打ちになるのか

という問いに、正しく答えることができません。

うまくいかない理由②

社内のモノサシに「最適化」されてしまう

二つ目の理由は、社内の基準を満たすこと自体が目的化してしまう点です。

社内評価を前提とした制度では、「社内における自分の位置」(いわば社内偏差値)は把握できます。

一方で、「市場における自分の位置」(市場偏差値)は見えません。

その結果、

・社内では評価されているため、危機感を持ちにくい
・今のやり方を変える動機が生まれない
・成長のスイッチが入りづらい

といった状態に陥りやすくなります。

特にこの傾向は、管理職や上位層ほど顕著です。

一定の成功体験を積み、社内では評価され続けてきた。
しかし、市場での立ち位置を知らないまま年月が過ぎていく。

これは、企業にとっても、個人にとっても、大きなリスクになり得ます。

本当に重要なのは「今、どこにいるのか」を知ること

重要なのは、

・今、我々の会社は市場全体の中でどの水準にいるのか(マクロ視点)
・今、社員Aさんは市場の中でどの位置にいるのか(ミクロ視点)

を、できるだけ正確に、かつリアルタイムで把握することです。

そして、その「現在地」を、評価のための材料としてだけではなく、行動変容と成長につなげるための材料として使うことです。

危機感は、正しく使えば恐怖ではありません。前に進むためのエネルギーになります。

「比較」とは何かを、あらためて整理する

ここで一度、「比較」という言葉を整理してみます。

比較とは、「二つ以上のものを、同じ観点・基準に基づいて照らし合わせ、
共通点・相違点・差異を明らかにすること」
です。

そして、この比較が成立するための大前提があります。
それは、共通の基準(尺度・定義)が存在することです。

もし、

・ある会社では「自走力」
・別の会社では「自発力」

という能力を使っていたとしたら、言葉が似ていても、定義が異なる以上、厳密な比較は成立しません。

定義が違うもの同士を比べても、意思決定に使える示唆は得られないのです。

能力定義を「合わせる」という発想

私たちが提供している人材評価・育成支援の特徴は、各社ごとに完全オーダーメイドで能力要件を作り込むことを前提にしていない点にあります。

あらかじめ定義されたコンピテンシーを共通基盤として活用し、必要に応じて、自社の文脈に合わせて微調整する。

このアプローチを取っています。

なぜなら、コンピテンシーの定義を揃えることで、初めて市場比較が可能になるからです。

その結果として、

・自社の強みと弱み
・市場に対する競争力
・個人の市場水準

を、感覚ではなく、データとして把握できるようになります。

市場比較への関心は、確実に高まっている

実際、私たちが人材評価・育成の支援を行う中で、約8割の企業から「市場比較ができる点」に強い関心をいただいています。

最近では、数万人規模の受託開発企業から、「部長クラス以上の人材が、自己理解も市場理解も不足しており、危機感を成長のスイッチに転換できていない」という課題を伺いました。

そこで、市場の同クラス人材と比較したコンピテンシー別の能力値を提示し、その結果をもとに、自己啓発計画へとつなげるセミナーを実施しました。

市場との比較を初めて目にしたことで、多くの方が「次に何を伸ばすべきか」を具体的に描けるようになったのです。

設計からフォローまで、一気通貫で考える

私たちの強みは、

・市場比較しやすい形で能力要件を設計・調整できること
・設計 → 測定 → 分析 → 従業員フォローまでを一気通貫で捉えていること

にあります。

評価制度を、「社内で完結する仕組み」から「市場とつながる成長の仕組み」へ。

比較できる評価を、行動変容と成長につなげたい。

もし少しでも関心をお持ちいただけたら、お気軽にお問い合わせください。

今回のケースから見えてきたこと

今回のケースが示しているのは、「評価制度を整えたつもりでも、市場との接点がないと、人も組織も『今どこにいるのか』が見えにくくなる」という点です。

自社基準の評価を否定する必要はありません。
ただ、それが 市場の中でどの水準にあるのか、また 次に何を伸ばすべきか が見えなければ、評価は成長のエネルギーになりにくくなります。

IGSでは、

・市場比較を前提にしたコンピテンシー設計
・個人・組織の「現在地」を可視化するデータ分析
・評価を行動変容や育成につなげるフォロー設計

を一気通貫で整理するご支援を行っています。

「評価はあるが、競争力や成長につながっている実感がない」
そんな違和感があれば、お気軽にご相談ください。

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