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【実録・HRケーススタディ】サクセッションで本当に見るべきは「結果」でも「スキル」でもない─経営者の「未来を決める行動」を、どう見極めるか(2026年1月)

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本シリーズ「実録・HRケーススタディ」では、IGSの営業担当が日々向き合っている実際の企業相談をもとに、

・人事と現場のあいだで、何が起きているのか
・どこで評価や認識がすれ違いやすいのか
・それを、どのように整理し、前に進めているのか

を、できるだけ具体的にお伝えしています。

今回ご紹介するのは、サクセッションプランにおいて「何を見るべきか」という問いに、改めて向き合ったケースです。

業績やスキルの評価だけでは残る違和感を、「行動」という視点から捉え直すことで、「経営候補者の見極め方」そのものを再設計していったプロセスを取り上げます。

サクセッションプランで、私たちは何を見ているのか

サクセッションプランを設計する際、候補者をどう評価するか。

この問いに対して、多くの企業では暗黙のうちに、次の3つの観点が使われています。

・結果
・スキル
・行動

一見すると、どれも欠かせない要素です。
しかし、それぞれが語っている「時間軸」は、実は大きく異なっています。

・結果は「過去」を
・スキルは「条件」を
・行動は「未来」を

語っています。

この違いを意識しないままサクセッションを進めてしまうと、「就任するまでは問題が見えなかった」という、最もコストの高い失敗に直面することになります。

「結果」は参考情報であって、保証ではない

結果とは、業績、KPI、成功や失敗の履歴です。
サクセッションの議論において、最も分かりやすく、最も語られやすい指標でもあります。

ただし、結果はあくまで過去のアウトカムです。

・市場環境
・組織フェーズ
・上司やチームの構成
・権限や裁量の大きさ

これらの外部要因が複雑に絡み合った中で生まれた結果を、純粋に「その人の力」として切り分けることは、実務上ほぼ不可能です。

さらに言えば、これからも同じ結果を出し続けられる保証は、どこにもありません。

結果は重要です。
しかし、それだけを見て経営候補者を判断することは、未来を見極める材料としては心許ないのです。

「スキル」は足切り条件であって、決定打ではない

次にスキル。
知識、経験、専門性といった要素です。

これらは、経営者として最低限必要な条件であることは間違いありません。
ただし、スキルは「できるかどうか」を示すものであって、「どう振る舞うか」を保証するものではありません。

また、経営とは本来、「すべてを自分でできる人」が担うものでもありません。

不十分なスキルがあれば、その分野に長けた部下や外部リソースを活用すればいい。

むしろ重要なのは、そうした人材をどう活かすかという姿勢や判断です。

スキルは必要条件ではありますが、それ自体がサクセッションの決め手になることは、実は多くありません。

経営者は「未来を創る人」である

では、何を見るべきなのか。

経営者は、「組織の未来を創る人」です。
その意味で、最も再現性が高く、未来を予測しやすいのが「行動」です。

経営者に求められる行動とは、例えば次のようなものです。

・意思決定をどのように行うのか
・周囲をどのように巻き込むのか
・異論や反対意見にどう向き合うのか
・感情をどのようにコントロールするのか
・権限委譲や人材育成に、どのような姿勢で向き合うのか

これらはすべて、日常の中で必ず現れる「振る舞い」です。

そして、こうした行動は、必ず周囲から見られています。

行動を定量的に見続けている企業の取り組み

東京に本社を置き、再開発・ビル賃貸事業を主軸とするある不動産会社では、
毎年、役員層に対して行動面の評価を「GROW360+」で実施しています。

単に評価を取るだけではありません。

その結果を語る会議体が社内に存在し、

・行動のポジティブな側面
・行動のネガティブな側面

をセットで見ながら、役員自身が振り返りを行っています。

自社で定義した行動要件と、「GROW360+」の測定項目とを紐づけることで、「感覚」ではなく「構造」として、役員の行動を多角的に捉えているのです。

360度評価が「ブラックボックス」を解体する理由

特に360度評価は、経営候補者のブラックボックスを解体する上で、非常に有効です。

なぜなら、役職が高くなるほど、組織には次のような構造が生まれるからです。

・上司が限られ、耳に入る情報が減る
・成果で語られ、プロセスが問われにくくなる
・周囲が忖度し、ネガティブな情報が上がらなくなる

この結果、何が起こるか。

それは、「就任後になって初めて、問題行動や対人リスクが顕在化する」という事態です。

これは、サクセッションにおいて最も高くつく失敗です。

360度評価は、上司・同僚・部下から可能な限り多くの情報を集めることで、この構造的な歪みを是正する役割を果たします。

サクセッションで360度評価を使う本当の理由

サクセッションにおいて360度評価を行う理由は、必ずしも「誰が一番優秀か」を決めるためではありません。

むしろ多くの企業が重視しているのは、「誰を経営者にしても、組織が壊れない」という観点です。

だからこそ、

・1回きりの評価で判断するのではなく
・3〜4年という時間軸で
・リスクの有無と、その変化を見続ける

こうした運用が取られています。

行動は変わります。
しかし、変わらない癖や傾向も、同時に浮かび上がってきます。

行動項目の設計と、評価運用の注意点

ポジティブな行動と、ネガティブな行動をどう項目設計すればよいのか。
評価結果を、どのようにサクセッションの議論につなげればよいのか。
評価が形骸化しないために、何に注意すべきか。

これらは、企業ごとの文脈やフェーズによって最適解が異なります。

重要なのは、「正解の項目」を探すことではなく、自社の前提条件に照らして、どの行動を継続的に見ていくのかを決めることです。

サクセッションは、一度の判断で完結するものではありません。
だからこそ、行動を「測り続ける設計」と、それを議論し続ける運用が、将来の経営リスクを下げる土台になります。

次を考えたい方へ

サクセッションにおいて

「結果は出しているが、この人で本当に大丈夫なのか」
「スキル要件は満たしているが、経営を任せたときの振る舞いが見えない」

と感じる場面は少なくありません。

「GROW360+」では、経営候補者の日常の行動特性を多面的に可視化し、サクセッションの議論を「感覚」ではなく構造とデータをもとにした対話へとつなげる支援を行っています。

経営候補者の育成や見極めへの活用にご関心のある方は、
ぜひ一度、ご相談ください!

👉 GROW360+ サービス紹介ページ

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