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【実録・HRケーススタディ】離職率の高い部門ほど「話は聞けていた」──1on1を増やしても動かなかったエンゲージメントの正体(2026年1月)

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離職率の高い部門のリーダーは、実は部下の話をしっかり聞いていました。傾聴スキルはむしろ平均以上——差がついたのは「ビジョン」「決断力」「情熱・宣教力」でした。
1on1を増やす施策では動かなかったエンゲージメントの本当の原因を、行動データが明らかにしたケースです。

実際の支援事例をもとにストーリー形式でお届けします。
登場する企業名・人物名は仮名とし、数値・規模感も実態を反映しつつ一部調整しています。

プロローグ:止まらない離職と「正解」のない会議

大手メーカーの経営企画兼人材戦略部に所属する佐藤は、デスクで深いため息をついた。

手元の資料には、若手社員の離職率の推移が刻まれている。
数年前から緩やかに、しかし確実に上昇している数字。
現場からは「人が足りない」という悲鳴が上がっていた。

「結局、現場のエンゲージメントが低いんだよな……」

全社アンケートの結果は明白だった。
離職者が多い部門ほど、エンゲージメントスコアが低い。

「部門長のマネジメントを変えるべきだ」という方針までは決まった。
しかし、そこから先が「空中戦」だった。

役員会議では、抽象的な言葉が飛び交う。

「もっと部下の声を聞くべきだ。1on1の徹底を」
「いや、今の管理職にはコーチングスキルが足りない」
「そもそもリーダーとしての熱量が伝わっていないのではないか」

どれも正論に聞こえる。
しかし、どれも「勘」と「経験」に基づいた推測に過ぎなかった。

数千人の社員を抱える組織で、何が「真の課題」なのかを特定しないまま施策を打つことに、佐藤は強い違和感を覚えていた。

転換点:データが映し出した「意外な空白」

「一度、感覚を捨てて、データで『行動』を見てみませんか?」

佐藤が導入を決めたのは、360度コンピテンシー評価ツール「GROW360+(グロー・サンロクマル・プラス)」だった。

単なる性格診断ではない。
周囲の人が、その人の行動をどう受け取っているかを多面的に捉え、バイアスを補正したうえで可視化する仕組みだ。

佐藤はまず、

・エンゲージメントスコアが高い部門
・離職が止まらない部門

この2つを切り分け、それぞれの部門長の行動特性を比較分析した。

当時、社内で半ば「常識」のように語られていた仮説は、「離職が多いのは、上司とのコミュニケーション量が足りないからだ」というものだった。

実際、この企業では多額の予算を投じ、管理職向けコーチング研修を行い、週1回の1on1の義務化といった施策をすでに実施していた。

しかし、「GROW360+」のデータは、その前提を静かに覆した。

核心:1on1を増やしても、心は動かない

分析の結果、離職率の高い部門のリーダーたちも、決して「部下の話を聞いていない」わけではないことが分かった。

傾聴スキルや外向性といった項目は、むしろ平均以上。
彼らは人事の指示通り、真面目に1on1をこなし、部下との時間を確保していた。

では、何が足りなかったのか。

エンゲージメントの高い部門のリーダーと比べ、決定的な差が現れていたのは、

・ヴィジョン
・決断力
・表現力 そして、
・情熱、宣教力

という項目だった。

「部下たちは、話を聞いてほしいだけじゃなかったんだ……」

佐藤はここで腑に落ちた。

若手が感じていた不安の正体は、

「自分の仕事がどこにつながっているのか」
「この組織はどこへ向かおうとしているのか」

が見えないことによる、閉塞感だったのだ。

優しい上司が、丁寧に話を聞いてくれる。
しかし、その上司自身が未来を語らず、意思決定を先送りにする。

その「心地よさという名の停滞」が、成長を志向する若手の意欲を静かに削いでいた。

結末:空中戦の終わりと、新しい組織の鼓動

課題がデータで可視化されたことで、人事施策は一気に具体化した。

佐藤は、一律のコーチング研修を見直し、部門長に対して、組織の理念を浸透させ、自身の言葉で組織の未来を語るためのビジョン策定支援に重点を置いた施策へと舵を切った。

「あなたの部門でエンゲージメントが伸び悩んでいる理由は、コミュニケーション量ではなく、ビジョンが共有されていない点にあります」

データという客観的な根拠があったからこそ、このフィードバックは部門長たちにまっすぐ届いた。

数か月後、現場の空気が変わり始めた。
部門長が自分の言葉で「自分たちの仕事の意味」を語り始めると、エンゲージメントスコアは目に見えて上昇し、離職の相談が止まった部門も現れた。

佐藤は、静かに思った。

「データは、人を裁くためのものじゃない。人を正しく導くための『光』なんだ」

あとがき:あなたの組織の「正解」は、どこにありますか?

この物語は、特別な企業の話ではありません。
多くの組織が直面している現実を切り取ったものです。

「良い上司」の定義は、組織のフェーズや課題によって変わります。
流行している施策が、必ずしも自社の課題に合うとは限りません。

大切なのは、自社の状況において、どの行動が成果やエンゲージメントと結びついているのかを見極めることです。

感覚に頼った議論を終わらせ、エビデンスを共通言語に、人事施策を前に進めていく。

その第一歩として、従業員の「行動」をデータで見てみる。

そんな選択肢も、検討してみてはいかがでしょうか。

👉行動特性の測定は「GROW360+」

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