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リモートワーク下、上司だけの評価に限界?評価方法別のメリット・デメリットとは。

#評価 #人材育成 #ピープルアナリティクス #データドリブン人事

コロナ禍によるリモートワークの普及で、評価をどのように行うのか頭を悩ませている人事の方が増えているようです。
適切に「人材を評価する」ことは、個々の人材、また組織のパフォーマンスを最大化するために必要不可欠な要素であり、そこで得られた「評価結果」や「能力データ」はタレントマネジメントに活用することができます。

ビジネスの前提が激変する変化の激しい中で、これまでと同じ人材マネジメントを行っていても太刀打ちできない状況にあり、評価手法の見直しをしたいという人事の方の声が多くなっています。

そこで、今回のコラムでは、何をポイントに評価方法を決めるのが良いのか、についてご紹介します。ポイントは、

 「何を」評価するのか
 「誰が」評価するのか

の2つです。

「何を目的に人材評価を行うのか」にあわせて、適した評価手法は異なります。今回は評価者(「誰が」評価するのか)の違いによるメリット・デメリットをまとめましたので、人材評価ツールの検討にぜひお役立てください。

 

目次 
 

 

 

1. 上司だけの評価と360度評価(多面評価)

今回は上司だけの評価と360度評価(多面評価)について考えます。

上司だけの評価とは、いわゆる一般的な人事考課で行われている通り、上司が部下を評価するというシンプルな方式です。
しかしながら、リモートワークの影響から、上司部下の接点の減少やコミュニケーション不足を理由に、評価の難易度が高まりつつあります。人事のみなさまが頭を悩ませる要因のひとつがここになります。

360度評価(多面評価)とは、上司だけではない、周囲にいる人から、自分自身に関する評価を受ける仕組みです。自分では思ってもみなかった、自分自身の特性や、課題が明らかになることから、育成観点から活用されていた評価手法です。
複数名の評価を統合して用いるため、リモートワークが急増した昨今、注目が集まっています。

 

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2. 上司だけの評価のメリット・デメリット

上司だけの評価のメリットは、大きく2点。

メリット①上司がフィードバックしやすい
これは「上司から見える部下」そのままが結果となるため、当然のことと言えます。

メリット②上司の評価レベルがそのまま評価結果につながる
実は評価にもレベルがあり、上司の評価レベルが高ければ、高いレベルの評価が実施可能になります。評価のレベルとは、評価におけるバイアスを知り、対策をした上で評価に臨めるかどうか、評価対象のスキルのレベル差を判断できるかどうか、といった要素から構成されます。

デメリット①客観性・正確性への懸念
一方でデメリットとして考えられるのは、客観性・正確性への懸念です。
評価が上司基準で決まってしまうため、上司から見える景色がすべてになってしまうという危険性が潜んでいます。特にリモートワーク下では、ここに対する懸念が強くなっているようです。

 

3. 360度評価(多面)評価のメリット・デメリット

次に360度評価(多面評価)のメリットを二点挙げます。

メリット①客観性・正確性を担保しやすい
まず一点目に、客観性・正確性があります。行動として顕在化した能力は、他者評価によってしか測定できないもののため、「誰か特定の一名」による一方向の評価だけではなく、複数名の目を通して評価を得ることで、客観性を担保し、納得感を高めることができます。

メリット②職場でフィードバックや、能力開発を促す風土の醸成に
二点目に、360度評価(多面評価)を職場で行うということ事体が、周囲の人の能力や行動に関心を持つきっかけになり、職場でフィードバックや、能力開発を促す風土の醸成につながります。リモートワークだからこそ、今、部下や同僚の評価を行うために、意識的にコミュニケーションや観察を行うよう促進することができるのです。

デメリットとしては、二点挙げられます。


デメリット①実施の手間
まず大きな違いは実施に関わる手間があります。評価にしっかり向き合い、正当に判断しようとすればするほど、評価者の負荷は高まります。主管する部署も、評価ツールの準備や、周知や促進にかかる工数が増えるものです。

デメリット②適切な評価者を選定する必要がある
二点目に、適切な評価者を選定しないと、納得感を下げてしまう要因になるという点があります。経験が浅い若手社員など、評価レベルによって、評価者としてふさわしくないというケースもあるでしょう。さらに払拭が難しいのは、バイアスや忖度、好き嫌いによるブレの発生です。

これらのデメリットを可能な限り取り除く工夫ができれば、360度評価(多面評価)により、様々なプラスの刺激を社員に与えることができるといえます。

 

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4. 部下の感じる上司とのコミュニケーションギャップ

ところで、上司評価の肝ともいえる上司・部下のコミュニケーションについて、IGSが実施したアンケート調査では、部下は上司が思うほど、上司に対して「対話的である」「明るい」「余裕がある」「落ち着きがある」とは感じていないことが明らかになりました。


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一体なぜ、上司と部下でこのような認識のズレが生まれるのでしょうか。
IGSの360度AI評価ツール「GROW360」のデータにおいても、大企業に勤める上司層のコミュニケーション能力のうち、他者評価よりも自己評価が特に高い能力に、「外交力」「寛容力」「表現力」があげられます。

データの通り、元来、コミュニケーション能力を客観的に自己評価することは難しく、他者評価を得ることが重要であると言えます。

 

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上司評価の根幹部分に対し、懸念を感じる部下が増えてきている中で、そこをカバーする方法が求められていると言っても過言ではないのかもしれません。

(調査結果サマリ)リモートワーク下の若手部下の4割がコロナ禍で転職を希望、そのうちの4割がコロナ前より「成長に対する不安」を感じている。背景に「上司との意思疎通のしやすさ」の低下あり。調査について詳しく知りたい方はこちら(PRTimes)

 

5.最終的に何を選ぶべきか

ここまでまとめた通り、デメリットのない評価手法は存在しません。せっかくコストをかけて実施するなら、評価したい内容に一番合った手法を選び、目的を本当に達成できるかどうかにこだわりたいものです。

実施の目的、また評価したい項目によって、適した評価方法は異なります。
上司が部下の行動をしっかりと確認できているという状況であれば、上司評価のみで問題なかったのかもしれません。しかしながら、リモートワークが増えてきた中では、それ一辺倒になってしまうのはリスクかもしれません。

特に人事評価のように、客観性・正確性が重視される場合には、360度評価(多面評価)を活用することも有効になるでしょう。コンピテンシーのような、顕在化した能力や、スキルの測定には他者からの評価が必要不可欠です。
上司のみでそれが実現できないのであれば、ぜひ360度評価(多面評価)を検討してみてはいかがでしょうか?

近年ではテクノロジーの発達により、人材評価の場面でこれまで難しかったことが可能になってきています。たとえばIGSが運営する「GROW360」では、AIで評価の偏りを補正することで、バイアスやブレを取り除き、信頼性の高い結果を出すことができます。人が人を評価する上で、避けることが難しい偏りを、テクノロジーの力で回避することができる時代です。こうしたHRテクノロジーを活用することも、一つ有効な方法です。

一歩進んだ人材評価と、そのデータの活用に向けて、自社のアセスメントツールやシステムを見直してみてはいかがでしょうか。

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プレスリリース詳細はこちら:リモートワーク下で若手の転職希望者の4割が、成長に対して不安。上司自身のコミュニケーション能力に対する「自己認識の甘さ」が課題。

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