リコーリース株式会社では2017年よりGROW360を活用し、インターンシップや新卒採用の改善に取り組んでいます。採用活動の工数を削減しながらも、優秀な学生の採用を実現させている秘訣を、人財本部人事部人材開発課の須賀俊幸様に活用事例としてお話しいただきました。
リコーリースの新卒採用活動とGROW360を導入したきっかけ
リコーリースはリコーのグループ会社として創業し、「リース&ファイナンス事業」、「サービス事業」、「インベストメント事業」を生業としています。健康経営や女性社員の活躍支援でも評価いただいています。
当社の新卒採用では毎年15~20名の総合職を採用。インターンシップからの採用が多くを占めています。内定までの選考過程は、セミナーやインターンシップを経て、GROW360とSPI(適性検査)の選考で合格した学生が、個人面接(1次~最終面接)を受けるという流れです。
2020年は新型コロナウイルスの影響で2~3月の採用活動は自粛していたため、2021年度卒採用の活動を9月末まで行っていました。録画セミナーやオンラインでの面接を実施後、GROW360とSPI、個人面接という例年とは異なる流れで進めました。
GROW360を導入したのは、採用工数を減らしながらも優秀な学生を採用したかったからです。面接対応は、面接官の育成や面接時間の確保など多大な労力がかかります。導入を決めた当時は対応できる社員が少なかったこともあり、面接時間を確保するのが難しい状況でした。そのため、2017年にインターンシップでGROW360を導入し、2019年度卒採用から本採用でも利用し続けています。
採用活動でGROW360を活用する場面の例(IGS資料より)
インターンシップにおけるGROW360の導入効果
インターンシップのコンテンツとしてGROW360を打ち出したことで、インターンシップの参加率が増えました。
インターンシップの応募理由に、「AIを使った自己分析ができる」「360度評価や自己分析システムを体験できることに魅力を感じた」などがあります。当社ではインターンシップ参加学生にGROW360の結果を伝えていることから、学生にとってもGROW360は興味深い内容のようです。
採用担当者として悩みのタネである「無断欠席」が減ったことからも、GROW360の効果を感じます。そのため、2020年度卒採用からは募集時にGROW360のコンテンツを積極的に学生に案内しています。
*図解:GROW360の360度評価の結果(サンプル)
新卒採用でGROW360を導入して
GROW360の利点は、応募する学生の自己評価だけではなく、他者評価に基づく客観的なデータを得られることです。併用している他社ツールで見逃していた、可能性のある学生を採用・入社までつなげることができました。
当社では選考判断として、リコーリースへの適性やSPIの基礎能力、GROW360のスコアなどを見ています。ある年、基礎能力は高いがリコーリースへの適性がやや基準に満たない学生がいました。これまでの流れでは、この学生は次のステップである面接に進めないのですが、GROW360のスコアがよかったため面接へと進めることを提案しました。面接での評価は高く採用となり、入社後のパフォーマンスがよい人材でした。
実は、私はGROW360を導入する前はAIの能力を信じていませんでした。しかし、GROW360を活用して採用した学生が入社後によいパフォーマンスを挙げている様子を見て、導入してよかったなと感じています。
GROW360でのスコアが高くても一部の例外はありますし、面接などで実際のコミュニケーション能力を見る必要があります。過去に採用した学生のGROW360のスコアのデータを蓄積しているので、翌年のスコア設定の参考にしています。これからも、上手くデータを使って判断していきたいと思っています。
GROW360の採用での活用の流れとモデルスコアのイメージ(IGS資料より)
応募者のスコアの分析イメージ(IGS資料より)
今後の取り組み
直近の採用結果を見てみると、GROW360のスコア上位50%に最終面接合格者の92%が含まれています。このような結果から、今後はGROW360の結果をより重視して採用を判断することができるのではないかと考えています。
面接官の育成は進んではいますが、コロナ禍での採用活動では面接時間を確保することが難しい状況があります。採用工数を効率的にしながらも優秀な学生に出会い入社してもらえるよう、選考の早い段階からGROW360を活用していきたいと思います。
■登壇者のプロフィール
須賀俊幸様
2010年3月に大学を卒業後、リコーリース株式会社に新卒で入社。
京都・滋賀エリアの医療分野専門の営業担当として6年間従事。
2016年10月に現在の人事部人材開発課へ異動し、2020年4月より人事部人材開発課採用チームリーダーとして新卒採用などに携わる。