

株式会社タムラ製作所様
#GROW360
#活用事例
2024年に創業100周年を迎える株式会社タムラ製作所様。自社開発した高品質のラジオ受信機用トランスから始まり、多種多様なエレクトロニクス製品を生み出してきました。今では電子部品、電子化学実装、情報機器の開発・製造・販売を、アジア・欧米などグローバルな拠点で展開しています。
株式会社タムラ製作所様は、人材領域の無形の知を可視化し、日々蓄積されていくデータの有効活用を目的としてGROW360を導入されました。導入から3年目を迎える同社では、どんな取り組みがおこなわれているのか、どんな変化が生まれてきたのか。社内で取得されたデータの活用に関する様々な知見を伺いました。
※本記事の掲載内容は全て取材時(2022年9月)現在の情報に基づいています

目次
多くの会社と同じように、私たちの会社でも人事領域での判断は経験や勘といった要素で検 討されることも多く、データや数値に基づいたノウハウ化がされていませんでした。いわゆ る無形の知であったこの分野の知識や経験を可視化し、さらなる組織としての成長を目指そ うとしていました。一方で、プレイヤーとして業績を上げた社員が評価されやすいという風 土があり、 部の管理職にマネジメントスキルや適性が不足しているため若手が離職してし まうケースも発生していました。こうした事態に手を打つべく有効なデータの取得と分析、 活用を検討する中でGROW360に興味を持ちました。
360度評価については以前から導入をしていました。運用に負荷がかかる制度ではあります が、やはり必要なデータですので、費用対効果も見据えつつ実施していました。とは言え随 分前から導入しているため、GROW360と比べると非常にシンプルな内容です。その点、 GROW360では受検者本人へのフィードバック支援や、他データとの組み合わせによる分 析、またバイアス補正の仕組みもあり、既存手法のアップデートとして導入を決めました。 上下の関係性や横同士の関係性など、評価者により発生するバイアスを軽減できる仕組みが あるのは魅力的でした。また、サポートも丁寧で満足のいくものでした。問い合わせにもス ピーディに対応してもらえるため、スムーズな運用が可能です。

GROW360導入の大きなポイントの一つでもあったのが、前述のようにマネジメント層のスキルの可視化です。特に、心理的安全性という観点からマネージャーと組織の状態を数値によってとらえたいという気持ちがありました。元々、プレイヤーとして業績を上げた社員が評価されやすいという風土がありましたが、彼ら彼女らが部下の管理や仕事の管理、中長期的な事業戦略の策定ができるかと言えば、そうとは言い切れません。そのため、組織として機能しなくなり、局所的に離職率が高くなることもありました。そこで部署毎にGROW360で取得したデータで分析してみると、うまくいっている部署とそうでない部署との違いが明確になりました。例えば、問題のある部署のマネージャーには「ヴィジョン」「共感・傾聴力」「表現力」などの値が低く出るという傾向が見られました。つまり、こうした分野の数値が高いマネージャーなら心理的安全性の高い組織がつくれるのかもしれません。
GROW360のデータは管理職への昇格面接でも活用しています。面接者の自己評価と他者評価のギャップをデータとして取得し、面接時の資料として活用しています。昇格面接の対象者は自己評価が高い場合が多いのですが、他者評価とのギャップがある場合も少なくありません。そうしたデータに即したコミュニケーションが面接の場でできるのはありがたいですね。また、面接後には面接者向けにフィードバックの時間も設けているのですが、「昇格に向けてこんな能力を伸ばせるといいよ」などと根拠を示しながらアドバイスもできます。この取り組みを始めたのはまだ最近ですが、うまく機能していると感じます。やはり客観的なデータをもとに話していけるのは効果的ですね。

マネージャー適性だけでなく、他にも様々な適性が出せそうな手ごたえを感じています。たとえば海外適性や、営業適性なども、今後データを蓄積してエビデンスを増やしていければ、傾向が見えてくるのではないでしょうか。ゆくゆくは採用や育成にも活かせる可能性があります。こんな行動特性を持っている方にはこんな研修でこの能力を伸ばしてあげよう、などの人材育成戦略も立てられます。また、社員個々人ではなく、社員と社員、社員と組織の組み合わせによるマッチングの度合いを見ることができるのも興味深いポイントです。こんなマネージャーの元にはこのメンバーをつけるとうまくいく、などですね。もちろん実際の仕事現場への配属となると電気や化学などの専門性・スキルといった要素も検討事項に入ってきますので、GROW360単体のデータだけでなく、専門性やスキル面も踏まえてじっくり検討する必要はありますが、可能性は感じています。
GROW360のデータを各シーンで活用するようになり3年目に入りました。今では経営陣からデータを基にした指摘が出ることもあるほど、組織の中に人事データの活用が浸透してきました。これまで肌感覚として持っていた仮説が、データ分析により裏付けられたのは大きなポイントです。GROW360導入前には、パフォーマンスの結果だけでしか数字が見えなかったのが、今では各部署のマネジメント手法の違いなども可視化してみることができます。やはり「数値化できる」という点は使い勝手がいいですね。私たちは会社目標として、従業員のエンゲージメント向上を掲げているのですが、この目標を達成していくためにもGROW360はまだまだ活用シーンが多そうですね。
今後は、得られたデータにより可視化された問題にどんな手を打っていけるか、が課題になりそうです。何らかの気づきを提供するのか、研修をするのか。日々データを蓄積しながら、組織活性化に向けた様々な活用方法を考えていきたいと思います。

導入からこれまで、私たちなりにGROW360の活用を検討してきました。ですが、私たちだけでは取り組みにも、情報収集にも限界があります。その点、IGS様は様々なお客様へのサポートをされ、多くのデータ活用ノウハウをお持ちだと思います。ぜひ今後とも、情報や参考事例のといったナレッジやソフトデータのご提供も含めたサポートを期待しています。
【実録・HRケーススタディ】700名の経営幹部候補をどう選ぶか? 2万人規模企業のサクセッション設計を支えた「評価基準」のつくり方(2026年3月)
約2万人規模の企業で、経営幹部候補約700名の評価基準をどう設計するか——最高執行責任者やCFOなど10程度のCxOポジションに対し、スキル・コンピテンシー・気質をどう定義し、比重づけるかが最初の壁でした。世界標準のジョブディスクリプション(ESCO・O*NET)を学習したAIエージェントと人の判断...
【実録・HRケーススタディ】航海図なき「人的資本」の迷宮を抜けて―2030年、AI共生時代の投資ROIを証明した「実証」の記録(2026年3月)
「人材投資が3年後の利益をいくら押し上げるのか、投資家が納得できる形で示してほしい」――経営から突きつけられたこの問いに、蓄積してきた人事データは無力でした。仕事を「タスク」単位に分解し、AIと人が担うべき能力を再定義したところ、新しく定義したコンピテンシーの活用度と実際の業績指標のあいだに、統計的...
【実録・HRケーススタディ】事故は「生まれ持った特性」から予測できるのか?建設現場の「ヒヤリハット」をデータで捉えるには(2026年3月)
本シリーズ「実録・HRケーススタディ」では、IGSの営業担当が日々向き合っている実際の企業相談をもとに、・人事と経営のあいだで何が起きているのか・どこで判断や施策が止まりやすいのか・それをどう整理し、前に進めているのかを、できるだけ具体的にお伝えしています。「生まれ持った特性(変化しづらい特性)」は...
【実録・HRケーススタディ】人的資本投資のROIは「勘」ではなく「相関」で語れる──有価証券報告書開示に向けた4段階の実証プロセス(2026年3月)
「教育予算をかけて、本当に企業価値は上がるのか」――経営からの問いに答えられずにいる人事は少なくありません。特定の人材育成施策を受けた社員層で能力スコアが向上し、そのスコアが高いほど営業目標達成率も高く、さらに労働力コストと経常利益のあいだにも統計的な正の相関が確認された――「人材育成→能力向上→行...
【実録・HRケーススタディ】管理職の「表現力」が伸びない理由─「説明した」のに伝わっていない問題(2026年2月)
本シリーズ「実録・HRケーススタディ」では、IGSの営業担当が日々向き合っている実際の企業相談をもとに、・人事と経営のあいだで何が起きているのか・どこで判断や施策が止まりやすいのか・それをどう整理し、前に進めているのかを、できるだけ具体的にお伝えしています。最近、お付き合いのある企業のうち3社ほどに...
【実録・HRケーススタディ】700名の経営幹部候補をどう選ぶか? 2万人規模企業のサクセッション設計を支えた「評価基準」のつくり方(2026年3月)
【実録・HRケーススタディ】航海図なき「人的資本」の迷宮を抜けて―2030年、AI共生時代の投資ROIを証明した「実証」の記録(2026年3月)
【実録・HRケーススタディ】事故は「生まれ持った特性」から予測できるのか?建設現場の「ヒヤリハット」をデータで捉えるには(2026年3月)
【実録・HRケーススタディ】人的資本投資のROIは「勘」ではなく「相関」で語れる──有価証券報告書開示に向けた4段階の実証プロセス(2026年3月)
【実録・HRケーススタディ】管理職の「表現力」が伸びない理由─「説明した」のに伝わっていない問題(2026年2月)
【実録・HRケーススタディ】次世代管理職候補が増えない理由は「人数不足」ではなかった──研修受講データが示した意外な打ち手(2026年2月)
【実録・HRケーススタディ】性格診断が「参考程度」止まりなのは"回答"を測っているから──潜在連合テスト(IAT)で気質を測る発想転換(2026年2月)
【実録・HRケーススタディ】離職率の高い部門ほど「話は聞けていた」──1on1を増やしても動かなかったエンゲージメントの正体(2026年1月)
【実録・HRケーススタディ】なぜうちの会社は「市場における能力値の立ち位置」がわかりづらいのか ー市場比較の重要性と、能力定義という見落とされがちな論点ー(2026年1月)
【実録・HRケーススタディ】同じ人材が拠点間の異動で「至宝」から「問題児」に──評価基準のズレをデータで可視化した記録(2026年1月)
【実録・HRケーススタディ】サクセッションで本当に見るべきは「結果」でも「スキル」でもない─経営者の「未来を決める行動」を、どう見極めるか(2026年1月)
【実録・HRケーススタディ】営業成績トップなのに評価は平均以下──「活躍の法則」は年次で違うとデータが示した理由 (2025年12月)
【実録・HRケーススタディ】「悪気はなかった」では通用しない──“自分の行動がどう受け取られているか”に、気づくために(2025年12月)
【実録・HRケーススタディ】360度評価は「導入時」より「実施後」が肝心──現場の不安の正体と、明文化すべき4つの運用ルール(2025年12月)
【実録・HRケーススタディ】「360度評価を入れても管理職が変わらない」とお悩みの方へ──“メタ認知で終わらせない”行動変容のつくり方(2025年12月)
Contact
資料請求
お問い合わせ
ご質問・ご相談などは、以下の「お問い合わせ」ボタンよりお寄せください。
担当者より、遅くとも3営業日以内にご連絡いたします。
また、ダウンロードいただける資料もご用意しております。「お役立ち資料」ボタンよりご参考ください。
© Institution for a Global Society,Inc. All rights reserved.