人的資本理論の実証化研究会
~従業員の能力を戦略的に開示する時代へ~
News
- 2023.05.11 5/10人的資本理論の実証化研究会・ダイジェスト勉強会(後編)を開催しました
- 2023.04.27 日経BPコンサルティングのメディアCCL.「人的資本が充実している企業は株式市場での企業価値も高い」にて、「人的資本理論の実証化研究会」をご紹介いただきました
- 2023.04.27 日経BP「Human Capital Online」に、人的資本理論の実証化研究会の22年度研究成果をご紹介いただきました
- 2023.04.26 動画「人的資本理論の実証化研究会とは」を公開しました(6分22秒)
- 2023.04.25 4/25人的資本理論の実証化研究会・ダイジェスト勉強会(前編)を開催しました
- 2023.04.23 日経ヴェリタス、日経電子版にて、人的資本理論の実証化研究会が取り上げられました(記事をご覧いただけます)
- 2023.04.14 ビジネスインサイダージャパン「人的資本ってなんの役に立つの?企業の”もやもや”を見える化して分かったこと」にて、人的資本理論の実証化研究会の22年度研究成果についてご紹介いただきました
- 2023.03.23 「人的資本理論の実証化研究会」が初年度(2022年10月~2023年3月)の研究成果を発表しました
About
■研究会について
〇発足背景
2023年3月期決算から義務化される「人的資本の情報開示」に向けて、様々な人的資本の指標について議論が行われています。本研究会は、日本企業がこれらの開示にとどまらず、「そもそも人的資本が企業価値にどれだけ寄与するものか(人的資本の投資対効果)」を明らかにすることで、経営者へデータに基づいた人材施策の投資判断を促し、かつ投資家への戦略的な情報開示を実現するために発足しました。
〇研究会の体制特徴
「人的資本」の概念を提唱したノーベル経済学者のゲーリー・ベッカー教授の理論の元、本研究会では人的資本を「能力」と捉えています。
これまで人材能力は測定・定量化が難しく、日本では人的資本の投資対効果の研究はあまり進んでいませんでした。本研究会では、IGSのAIを活用した360度評価ツール「GROW360」によって、社員の多様な能力を測定。ベッカー教授のもと学んだ小野教授の人的資本理論に基づきながら、人材能力データ・財務データ等を含めた企業の実データを分析し、研究を進めています。
なお、22年度は大手企業9社*が参画しました。
*伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、株式会社ニコン、株式会社日経ビーピーコンサルティング、日本郵便株式会社、三井住友トラスト・ホールディングス株式会社、株式会社三菱UFJ銀行などの大手9社
■「人的資本理論の実証化研究会」についての詳細はこちら
■「人的資本理論の実証化研究会 22年度成果」についての詳細はこちら
(2023.4.25 人的資本理論の実証化研究会・ダイジェスト勉強会より)
■共同座長について

小野 浩
(人材のマネジメント、人的資本理論、幸福度、統計学)
略歴
早稲田大学理工学部卒。野村総合研究所コンサルタントを経て、シカゴ大学大学院社会学研究科博士課程修了、Ph.D取得。Stockholm School of Economics准教授、Texas A&M University准教授を経て現職。現在,Texas A&M University大学院社会学研究科特任教授も務める。
主な著書に『Redistributing Happiness: How Social Policies Shape Life Satisfaction』(2016,Praeger出版,K.S. Leeと共著)。American Sociological Review, Economics of Education Review, Oxford Economic Papers, Social Forces, Social Science Quarterly, 『日本労働研究雑誌』など寄稿多数

福原 正大
(人的資源管理におけるデータ活用)
略歴
現三菱UFJ銀行に入行、INSEAD(欧州経営大学院)にてMBA、グランゼコールHEC(パリ)にてMS(成績優秀者)、筑波大学博士(経営学)を取得。世界最大級の運用会社ブラックロック社で最年少マネージングディレクター、日本法人の取締役を経て、2010年IGS株式会社を創設。2016年2月より、人工知能とビッグデータを活用して、人材の能力特性分析を行う「GROW」をサービス開始。慶應義塾大学経済学部特任教授、東京理科大学客員教授。
書籍
『日本企業のポテンシャルを解き放つ DX×3P経営』(英治出版)『人工知能×ビッグデータが「人事」を変える』(朝日新聞出版) 等
How we work
■研究内容について
〇数理モデル(計算式)の考え方
本研究会は、①人的資本の財務的価値の算出 ②人的資本が企業価値に与える金額の実証 の2本立てで進めます。いずれも、人的資本理論に基づきながら、企業の実データを扱うことで、実用可能な数理モデルを開発します。
① 人的資本の財務的価値の算出
市場で求められるスキルの取得状況や、キー・コンピテンシーの業界内競争力など、複数の因子を入れた計算式を作り、人的資本の財務的価値を算出します。
これにより、「どんな施策に投資すれば、どの因子が動き、金額的なインパクトを人的資本価値にもたらすのか」が明らかになります。また、この因子について実証を行います。各企業は、実データを用いて経営シミュレーションを行うことができるため、人的資本経営の意思決定精度の向上が期待されます。
② 人的資本が企業価値に与える金額の算出
近年の研究では、人的資本の財務的価値がそのまま企業価値に含まれるのではなく、人的資本を企業価値に効果的につなぐための条件が必要であると指摘されています。
例えば、条件がハピネスやWell-beingの場合、能力が高い人でも、心身の不調ややる気がわきづらい状況では、十分にパフォーマンスを出すことは難しいと想定できます。健幸経営に企業が投資する行動は、人的資本を活かす合理的な行動として考えられます。
このように、どのような条件が人的資本と企業価値を効果的に繋ぐのかを、企業のデータを用いた実証で明らかにします。そのうえで、人的資本価値算出の計算式と統合し、人的資本が企業価値に与える金額を算出する計算式を作ります。
〇数理モデルができると、どのようなメリットがあるのか
この数理モデルによって、企業は「どのような人事施策に投資すれば、企業価値(金額)が向上するのか(人的資本の投資対効果の計算)」を明らかにすることができます。
■(ご参考)「人的資本理論の実証化研究会 22年度成果」についての詳細はこちら

◆数理モデルの活用例
例1)若手社員の離職率が上がっているため、育成の投資をどんな若手にどの程度行えばよいのか、わからない
数理モデルによって、どのような能力を持つ若手に、どのような研修をいくら程度かけて行うと、どの程度人的資本の金額が増えるのか、算出することができます。一方で、リスキリングを行わなければ、何年後にどの程度人的資本が減るのかも算出することができます。このようなシミュレーションによって、人的資本投資の費用対効果を予測することができます。データに基づく経営判断ができるほか、投資家への説明もしやすくなります。
例2)女性管理職比率を上げたいが、どの程度予算をかければ効果があるのか、また会社全体の成長につながるのかが、わからない。そのため、予算を確保しづらく、なかなか大きな施策を打つことができない。
数理モデルによって、女性管理職比率が上がると、どのような要素に影響があり、それによってどの程度人的資本が増えるのかを算出することができます。また、シミュレーションには、どのような施策で女性管理職比率が伸びるのかも含まれます。これにより、女性管理職比率向上に関する会社全体のコンセンサスをとりやすくなり、さらに人的資本投資対効果も明確になります。

■2023年度研究会ご参加について
〇会員企業様の活動について
●月例勉強会
ご参加者想定:人事、財務、経営企画などの役員・部長クラスの方。
活動時期:23年6月~24年3月
活動頻度:月に1回、1.5時間
活動内容:リアル開催の勉強会へのご参加(レクチャー+議論)
●データ分析研究委員会
ご参加者想定:人事、サステナビリティ、IRなどを担当されるマネジャー・実務者クラスの方
活動時期:23年10月~24年3月が中心
活動頻度:月に1~2回+企業様内部のご調整、ご準備
活動内容:
人材データ生成に関する準備
分析結果報告を受けて今後の施策・方針のディスカッション
現在、2023年度の会員企業様を募集中です。ご検討企業様に向けたダイジェスト勉強会(無料)の実施も予定していますので、お気軽にお問い合わせください。
お問合せフォームはこちら。E-mailご希望の方は、以下事務局までお願いします。
人的資本研究会事務局: sales@jp.grow-360.com
〇2023年度会員企業様の募集について
●5/10(水)ご検討企業様向け・ダイジェスト勉強会(無料)のご案内- 「人的資本理論の実証化研究会」とは:一橋大学院の小野教授、福原特任教授のもと、産学連携で、財務・非財務データを用いた「人的資本の財務的価値算出」を目指す研究会です。入会をご検討される企業様向けに、特別に無償で、勉強会にご参加頂ける機会をご提供いたします。
- 開催日時:5月10日(水)11時30分‐13時 東京都内にて *昼食会、弁当付き *遠隔地の場合、オンラインでのご参加も可能
- お申込締切:5月2日(火)17:00まで
- ご留意事項:①事務局より、事前に23年度研究会についてご説明致します。②参加費は無料です。交通費支給はございません。
- 本研究会への参加は、先着順とさせていただきますが、会場の収容能力を超えるお申込みがあった場合は、その時点でオンライン参加への移行をお願いさせていただく場合がございます。あらかじめご了承のほど、お願い申し上げます。
- 人的資本の情報開示に関するコンサルティング企業、HR テクノロジー企業、その他、関連するサービスを扱われる企業については、研究会への入会をお断りしておりますこと、ご了承ください。
- 勉強会の詳細については、お問合せフォームまたは、以下の事務局までお願いします。
人的資本研究会事務局: sales@jp.grow-360.com
●お問合せ・資料請求について
- 「人的資本理論の実証化研究会」についてのお問合せ・資料請求については、お問合せフォームからご連絡いただくか、以下事務局までお願いします。
人的資本研究会事務局: sales@jp.grow-360.com


主催・運営支援
Institution for a Global Society 株式会社
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-11-2 4F